猫の繁殖能力はとても高く、1匹の雌猫から1年後には20匹にも増えることがあります。特に沖縄県は気候がよいため猫が生活しやすく、増えやすい環境です。

飼いネコの寿命は15年から20年近くにもなりますが、外で生きる飼い主のいない猫の平均寿命は5年程度と、かなり短いといわれています。しかしながら旺盛な繁殖力のおかげで増えすぎてしまった猫たちが地域の住人の迷惑や苦情の原因になり、殺処分という不幸な結果につながります。

10数年前までは沖縄は犬・猫の殺処分頭数が全国ワーストという状況でしたが、ボランティアや多くの団体の皆さんの様々な地道な活動により、大きく減少しました。その一つの方法としてのTNRTrap/捕獲し、Neuter/不妊手術を行い、Return/元の場所に戻す)は、猫たちの無秩序な繁殖を防止します。手術済みの猫たちは耳先のカットから「さくら猫」とも呼ばれ、はかない桜の花に似た一代限りの命の「地域の猫」として見守り、頭数を徐々に減らすことで猫に関わる苦情や殺処分の減少につなげていくことを目的としています。

TNRは地域の猫の問題を減らすのに有効な方法ですが、たとえある地域でTNRが一斉に行われたとしても、その時に実施されなかった猫が残ってしまったり新たな捨て猫が現れたりするため、5年ほどでほとんど元の状態に戻ってしまいます。そのため、地域の猫の問題を抑えるためにはTNRを継続していくことが大切です。

当院はTNR活動の成功を支えるため、ノラ猫や保護猫などの飼い主のいない猫の不妊手術を低価格で提供することを目的とし、地域の人と猫の共存に役立つ施設として設立しました。

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